大判例

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大阪地方裁判所 昭和38年(ワ)224号・昭39年(ワ)610号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、<証拠>を綜合すると被告は昭和三七年四月頃訴外真鍋章に対し原告等主張の建築を代金一七〇万円で請負わせ、訴外後藤摂二がその完成保証人となつたところ、真鍋は該請負工事のうち全工程の約半分弱に当る屋根茸荒壁付床下地までの工程を終つた段階で倒産したため残工事の続行が不可能となり、以後工事を中止するに至つた。そこで被告は真鍋等と交渉した結果被告が途中で支払つた分を含め真鍋の出来高に相当する金八〇万円を支払つて建築途上の右建物を引取り、残工事につき保証人後藤に対し善処を求めたところ、後藤は訴外株式会社赤松菅野建築設計事務所の社長赤松修等と相談し同事務所に出入する原告会社に残工事を実施させるべく原告会社を被告に紹介した。その結果同年八月頃右後藤を通じ被告と原告会社との間で右残工事を請負代金九〇万円と定め同年九月末までに完成させること、などの約定の請負契約が成立し、原告会社は直ちに右請負工事に着手し、外壁の仕上げや建具や硝子を入れるなど内部仕上の工事を実施し、同年九月までに請負工事の約八割の工程(出来高)を終つた際他の取引先で手形の不渡に遭い倒産するに至り、そのため工事の続行が不能となつた。よつて被告は後藤らを通じ後始末をどうするかについて話し合つたが決着がつかず、その後後藤等において完成保証人としての責任を回避する態度に出たため、被告は同年一一月中旬頃訴外栗本建設株式会社に注文して残工事を完成させた。以上の事実を認めることができ、……。

ところで請負人が請負工事を中途で放棄した場合には、請負人は請負金額の全額は勿論特約のない限りその出来高に相応する請負代金をも請求することが出来ないわけであるが、注文者において請負契約を解除することなく請負人が中途まで実施した工事をそのまま引取り、工事を続行してこれを完成した場合には、請負人は自己の実施した工事の出来高に応ずる請負代金を注文者に請求し得るものと解すべきところ、原告会社は前記認定の通り請負代金九〇万円の工事のうち出来高八十パーセントの工事を終つているのであるから、原告会社は被告に対し請負代金九〇万円の八割に当る金七二万円の請負代金を請求し得るものというべきである。(谷野英俊)

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